「円形脱毛症は必ず治ります。」
その言葉を信じたいけど、いつになったら治るんだろうか…..自分は一生このままなんじゃないだろうか…..
これを読んでいるあなたは、
こんな事、考えたことはありませんか?
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こんちには!まごたです。
私自身、長年重度の円形脱毛症を経験してきて、前向きに生活はしていましたが、こんな風に((本当に治るのかな….))とどこか心の奥底では先々に悲観的な想いをずっとしてきました。
「円形脱毛症は必ず治る。」という言葉には、「100%治るの特効薬はない」「必ず治ると断言できるエビデンスはない」という声も聞こえてきそうですが、実際のところどうなの?という本音の部分、実情が気になる方も多いと思います。
今回は、そんな先々の不安で一杯という方へ、重度の円形脱毛症を7年がかりで直した筆者が「円形脱毛症は必ず治る。」という言葉に対して、円形脱毛症の実情を徹底解説していきます。
症状の度合いによって状況は全く違う
そもそも円形脱毛症の重症度の違いとは?
- 脱毛部が1箇所の単発型
- 脱毛部が2,3箇所(全体の25%未満)できる軽度の多発型
- 脱毛部が複数且つ広がる(全体の25%以上)重度の多発型
- 生え際から帯状に抜ける蛇行型
- ほぼ全ての頭髪が抜ける全頭型
- 頭髪だけでなく眉毛など全身の毛が抜ける汎発型
そもそも円形脱毛症とは「自己免疫疾患」と言われる症状で、本来なら頭皮を外敵から守るはずだった免疫機能が異常行動(免疫異常)を起こし、毛根を攻撃、炎症させてしまうことによって急激な脱毛症状を引き起こしますが、その進行具合や脱毛範囲は人によって大きく異なります。
その度合いには大きく分けて、「単発型」「多発型」「蛇行型」「全頭型」「汎発型」の5種類が存在しますが、世間一般的なイメージである「10円ハゲ」ができるだけの単発型と、全体の髪の毛が抜けていく重度の円形脱毛症とでは、全くといって良いほど話は違います。
ガイドラインのデータによると、全体の20%前後が全頭型や汎発型になってしまうと言われていますが、重度の場合は進行も早く、1箇所発覚してから早い人だと1ヶ月以内に殆どの髪の毛が抜けてしまう場合も珍しくありません。
また、生え際ラインに単発の円形脱毛症ができる(蛇行型になる兆候)と重度まで進むケースが多く、その他にも子どもの発症も重度までで進むケースが比較的多いというも報告もされています。
進行期(急性期)か固定期かでも状況は全く違う
また、症状の度合い以外にも、脱毛症状を自覚してから急激に進行している初期〜中期の段階である「進行期(急性期とも言う)」か、ある程度毛根の免疫異常や炎症が落ち着いて回復兆候にある「症状固定期」か によっても状況は全く異なってきます。
ガイドラインでは目安期間として、おおよそ半年を超えると症状固定期に入るとしていますが、免疫異常による毛包周囲の炎症度合いや、脱毛症状の進行範囲、症状の再発など、様々な状況や個人差(半年より早い人、遅い人)は当然ながら存在します。
基本的に、この進行期(急性期)の脱毛症状が止まらない時期には、ステロイド治療が現状最も効果的な治療方法で、その他様々な治療方法も免疫異常や炎症がある程度落ち着いた症状固定期に入ってからでないと、望む効果をあまり得られないことも多いのが実情です。
合わせて読みたい 【徹底解説】円形脱毛症のステロイド治療の効果と副作用とは?|外用薬・注射・内服・点滴(パルス)について進行期(急性期)の特徴とは?
- おおよそ発覚してから半年を超えていない(※個人差あり/あくまで目安)
- 1日100本以上抜ける(※通常時には1日50~100本程抜ける)
- 軽く引っ張っただけでするんと抜ける(抜け毛の根本の先端が細く尖っている)
- 根本付近が歪な形や細くなっている感嘆符毛(漸減毛)がある
- 触るとザラザラした毛穴に残ってしまった黒点がある
- 途中で折れたり千切れたりしている切れ毛がある
では実際に、進行期(急性期)はどうやって見分けたら良いのかと言うと、通常より抜け毛が多いというのは勿論ですが、下図のように根本付近が歪な形になったり細くなったりしている「感嘆符毛(漸減毛)」や、根本で切れたりして毛穴に詰まった「黒点」、途中で折れたり千切れてしまった「切れ毛」が多く見られる箇所は、まだ進行中の可能性が高いです。
実際には、拡大鏡で見ないとはっきりとは分かりませんが、肉眼でも黒点はみることが出来ます。また、頭皮を触ってみて根本付近がザラザラ・トゲトゲするような箇所は黒点や切れ毛の場合が多いです。
そして、意外と勘違いしてしまいがちですが、これらの黒点や切れ毛は新しく生えてきた毛ではありません。これらの毛は全く成長しない訳ではありませんが、基本的にこの毛が時間と共に自然と取れていくまで、回復には時間がかかります。
新しく生えてきた産毛は、毛の先端が尖っているのが特徴的で、触ると柔らかい感触があります
軽度の円形脱毛症は1年以内に回復する?
1年以内に80%の人の毛髪は回復している
では、実際にどのくらいの期間で治るのかというと、円形脱毛症の診療ガイドラインにあるデータでも、1年以内に約80%の方の毛髪が回復しているという報告もあり、軽度な症状で進行が落ち着いている場合は、遅くても1年前後でほぼ元どおりになる場合が多いです。
また、軽度な症状の場合は、発症後、特に治療せず自然と治る(自然寛解)という場合も珍しくなく、むしろその方が多数派です。
それ故、世間一般のイメージだと「10円ハゲが出来ても、放置していれば自然と治る」という印象が強くなっていたり、根拠のない民間療法があたかも効果があったかのように一人歩きしているのが現状です。
軽度な場合は治療効果も出やすい
とはいえ、語弊がないよう言うと、軽度な場合でも治療をしなくても良いかと聞かれれば、全くそうではありません。
先ほど説明したように、進行期の初期段階で軽度であっても、そこから短期間に急激に進行するというのも珍しくないからです。
どの病気でも同じことですが、早期治療の方が治療効果が比較的出やすく、進行も食い止めやすいです。
軽度の場合でも放置は絶対にせず、皮膚科など専門機関の方に診てもらってステロイド外用薬を処方してもらったり、埃や花粉などのアレルギー対策や、睡眠や栄養などの生活習慣、日々の頭皮環境、適度な運動や凝りの解消をして身体の血行を改善する、といったことが必要になってきます。
重度の円形脱毛症は個人差が大きい
重度の円形脱毛所は個人差とは?
少し難しい話になりますが、先ほど重度の円形脱毛症について簡単に説明したように、一口に重度といっても細かく言うと状況は全く違います。
米国の評価ガイドラインを参考にすると、以下のように症状の度合いが分かれていますが、この中でいわゆるS1は軽度な症状で、S2〜B2までの6種類が重度の症状です。(※頭部全体をS、頭部以外も含む症状をB)
- S1:脱毛巣が頭部全体の 25%未満
- S2:脱毛巣が 25~49%
- S3:脱毛巣が 50~74%
- S4:脱毛巣が 75~99%
- S5:100%(全頭)脱毛(頭部以外の脱毛なし)
- B1:頭部以外に部分的な脱毛がみられる
- B2:全身全ての脱毛
一般的に、S および B の数字が大きいほど難治であると言えますが、これだけ重度と一纏めに言っても大きな違いや個人差が存在するのです。
ちなみに私自身はこの評価で言うと、S5〜B1辺りを長年彷徨っていました
重度の場合はどのくらいで治るの?
では実際に、重度の場合はどのくらいの期間で治るのかと言うと、個人差があると言えばそこまでですが、実際の症例だと、早いと1年以内で治る人もいれば、私のように数年単位でかかってしまう場合もあり、その期間はピンからキリまで存在します。
例えば、短期間で急激に抜けた人は、生えてくるまでが早かったり、他にも落ち着いてからの改善が早い人もいますし、逆に途中で再発して長引いてしまう人もいます。
ただ、あえて目安を言うならば、少なくても1年半〜2年程は見た方が良い(進行期6ヶ月、固定期に入り産毛が正常に伸びるまで6ヶ月、元の長さになるまで6か月)とは思います。
ちなみに、私は再発してしまいましたが、1度目の汎発型は元に戻るまで1年半程かかりました
時間がかかってしまう大きな理由
再発してしまうことが多い
では、もう少し例外に踏み込んで、なぜ私のように7年近く、数年単位でかかる人がいたり、未だに10年以上治っていないという人も出てくるのでしょうか?
一言でいうならば 円形脱毛症は、治りかけや治った後にも再発もしやすく、非常に慢性化しやすいからです。
円形脱毛症は、程度はあれど1度目より2度目、3度目…..と回数を重ねるごとに悪化しやすい傾向にもあり、慢性化すると1度目よりも時間がかかることも珍しくありません。
例え軽度な症状であっても、一度なった方はなりやすい体質を持っているので元に戻ってからも要注意です
アレルギー体質を持っている
また、もう一つ話を難しくしている理由には、自己免疫疾患の別の病気との合併症や、円形脱毛症と関わりの深いアレルギー体質によって重症化・慢性化してしまっているパターンも多く存在するという点です。
- アレルギー性皮膚炎(アトピー)
- アレルギー性鼻炎(花粉症・ホコリ・ダニ等)
- 気管支喘息(ぜんそく)
- その他、食べ物や金属など
円形脱毛症と関わりの深い代表的なアレルギーは、いわゆるアトピー素因(アトピー性皮膚炎,アレルギー性鼻炎、気管支喘息)と呼ばれる症状ですが、その数は以下ガイドラインの報告によると、円形脱毛症の発症者の約40%、家族を含めると約50%いると言われています。
800 例中 187 例(23%)がアトピー性皮膚炎を合併していたとの報告がある。本邦でも患者 200 例のうち,患者本人や家族にアトピー素因があるものが 108 例(54%),患者本人にアトピー素因があるものが 82 例(41%)にみられた。
アトピー素因と分類・重症化の検討では,小児群では 34.6%に合併し,病型ごとの合併率は単発型(13%),多発型(33%),全頭型(44%),汎発型(50%),蛇行型では(57%)であった。
100 症例の検討でも,アトピー素因合併群22例中15例(70%)で脱毛が重症化したが,非合併群 78 例中での重症化は42 例(52%)であった。
一部引用:円形脱毛症診療ガイドライン2017
また、本人に明確なアレルギー症状がなくても、血縁者にアレルギー症状がある場合は少なからず遺伝的な影響を受けていることが多く、血縁者に円形脱毛症が発症している場合も遺伝的な影響を受けています。
いずれの報告も,重度の症状ほどアトピー素因の合併率が高く,臨床像や,病理像、経過等に違いがみられることを強く疑われています。
花粉など季節的な理由や、周囲の環境(乾燥・清潔さ)、身体全体の体調にも大きく影響されやすいため、増悪と軽快を繰り返しやすいのです
他の病気を併発している
- 甲状腺疾患(橋本病など)
- 膠原病(関節リウマチ・皮膚筋炎・シューグレン症候群など)
また、合併症に関しては、いわゆる指定難病と呼ばれる膠原病(こうげんびょう)や甲状腺疾患、安部元首相が患っている潰瘍性大腸炎など、様々な自己免疫疾患との合併例が報告されています。
これらの合併症は、可能性としては低いですが、血液検査をしてもらうと分かるので、皮膚科にいく際は出来れば一緒に検査をしてもらいましょう。
いずれにせよ日本皮膚科学会のQ&Aにもありますが、例え何年脱毛が続いても毛包の大元の細胞(幹細胞)は残っているので、可能性が0になる訳ではありません
少しでも時間をかけないためには
再発させないように前向きに一生付き合っていく
まだ先の事で想像もつかない方も多いとは思いますが、少しでも時間をかけないためには、いかに早く治すかよりも、治りかけや治った後にも再発予防を徹底して慢性化させないことが本当に重要になります。
もちろん理想を言えば、再発させないように1度目で治すに尽きますが、誰しも慣れからくる油断や、長期間健康的な生活を維持して、上向きの状態を続けるのは容易な事ではありません。
とは言え、何度も再発して7年近く慢性的な重度の円形脱毛症だった私でさえ、今では元に戻ってから再発なく2年以上は経っているのも事実です。
何度も油断して杜撰な生活をしてしまった私にさえ、今では付き合うことが出来ているので、皆さんにも出来ないなんてことはありません。
一生付き合うと言っても、全然ネガティブな事でも大きな問題でもないので、ぜひ前を向いて進んで欲しいです。
こればかりは私自身が痛いほど経験してきて心から反省している事でもあるので、皆さんには同じような後悔はして欲しくないと切に思います
モチベーションを持ち続ける
- 定期的に診てもらうことが1/3
- 日々の生活習慣や予防したりが1/3
- 前向きなモチベーションを持ち続けることが1/3
ここまでくると「円形脱毛症は必ず治る。」という言葉も軽々しく言っている訳ではないのが分かるとは思いますが、そのためには、定期的に医者や専門の方に診てもらうこと、日々の改善や再発予防をすること、モチベーションを持ち続けることが本当に大切です。
私自身、元に戻った今でこそ病院には行っていませんが、定期的に頭皮状況を診てもらったり、日々の生活や予防に気をつけたり、モチベーションに関してはこのブログだったり、ツイッターやLINE公式で相談や感想を下さる方から勝手に元気をもらったりもしています^^笑
どんな方法でも良いとは思いますが、一人で抱え込まず気軽にメッセージでも送ってくれると嬉しいです
まとめ
以上、円形脱毛症についての実情を徹底解説しましたが、皆さんの心の中のモヤモヤは少しでも解消できたでしょうか?
実際、円形脱毛症と言ってもピンからキリまで状況は違いますし、私のように数年単位でかかる少数がいるのも事実ではありますが、それでも治らない訳ではありません。
ぜひ皆さんも理不尽な円形脱毛症に負けずに、前を向いて一歩ずつ進んでみてください^^!
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ここまで読んで頂きありがとうございました!
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