某Kクリニックさんについて聞かれることが多いのでその院長が出してる本を読んでみた。
— まごた🧩脱毛症×気胸ブロガー (@magota_01) 2020年3月20日
正直に感想を言うなら、不安を大袈裟に煽り過ぎ。。そもそも症例報告だけではエビデンスのレベルが低い。根拠も弱いし偏りあるし全部に当てはまるような言い方は…
何事も鵜呑みにはせず両方調べよう☺︎
こんにちは、まごたです!
私は、高校2年の頃から7年間、重度の円形脱毛症に悩まされてきた経験があるのですが、その時から名古屋Kクリニックさんについては良く噂を耳にしてきました。
実際に私が関わることはなかったのですが、発信を始めて良く聞かれるようになったので、今回その院長が出している『薬害脱毛』について読んでみました。
色んな意味で想像以上の内容でしたが、実際に読んでみた書評を簡単にしていきます!
この本を簡単に説明すると
- 自クリニックの症例報告などの根拠で説明している
- IGFー1を増やすことが育毛を促進に繋がるし、逆に減らすものは脱毛を引きおこす
- セファランチン(C1治療)の大量投与が、IGFー1を増やし円形脱毛症の治療や風邪に対して効果的
- 脱毛する薬・毛が生える薬と一つの参考として分かりやすい
- 一番最後は「風邪薬や花粉症の薬の安易な使用は国をも滅ぼす」という大袈裟なタイトルで締めている
①症例報告を根拠に分かりやすく解説している
基本的にこの本の主張している根拠は、明確な論文(科学的なエビデンス)があってというよりもの症例報告を例に上げて話が進みます。
筆者のクリニックの症例報告や、〜と思われる、〜と考えられるという推測の域を出てない主張が多いですが、一つの意見としては興味深いものもありました。
②IGF(成長因子)が減ると脱毛が増える
この本でもありますが、そもそもIGF-1(成長因子)とは、身体の組織細胞の成長や修復に関わると言われています。そのため、発毛促進や抜け毛予防、美髪効果などあらゆる育毛に深く関わっていると考えられています。
しかし、IGFが減ったからと言ってそれが因果関係となって脱毛を引き起こすというのは少し早計な主張だとは感じました。
IGFー1(成長因子)は、様々なサイトでも説明されていましたが、実際にこの筆者が書かれたIGFについての当時の論文を探してみました。(2010年当時の論文はこちら)
ただ後述しますが、この方は2012年に別の論文で捏造疑惑がかけられ半年の停職処分を受けています。正直いうと、これをエビデンスとして判断して良いのかというのはいささか疑問は残ります。
ちなみに、詳しくIGFについて知りたい方は、こちらの論文を参考にしてみてください。
③セファランチンが円形脱毛症や風邪に効果的
セファランチンとは、そもそも日本皮膚科学会が出している円形脱毛症ガイドラインによると、ステロイドや局所免疫療法に次ぐ推奨度がC1の一定の効果が認められている治療方法です。
実際に円形脱毛症になって皮膚科にいくと処方されることの多い薬ですが、抗アレルギー作用のほか、血流促進作用、免疫機能増強作用が見込める薬で一定の人には効果が出ている治療薬です。
④脱毛する薬・髪の毛が生える薬について
この本では市販で売られている風邪薬や鎮痛剤、痒みどめ(抗ヒスタミン剤)、その他、頭痛薬や抗アレルギー剤が、IGFー1を減らして脱毛を引き起こすと書かれています。
ここでの主張は少し大袈裟ですが、しかし実際に薬剤性脱毛症というのは存在します。特に癌治療といった抗腫瘍剤による脱毛症です。
こちらの論文を見ると詳しく分かりますが、実際に抗腫瘍剤による成長期脱毛症が、毛包幹細胞から毛根鞘細胞への分化と増殖の抑制と、毛包成長期の血管増殖の抑制によって引き起こされることが明らかになったそうです。
⑤風邪薬や花粉症の薬の安易な使用は国をも滅ぼす
この本の一番最後のページに書かれている見出しですが、正直いうと
上で説明したように、抗癌剤による脱毛症というのは存在します。しかし、風邪薬や花粉症の薬を飲んだから脱毛を引き起こすという因果関係はないとは言いませんが、少し不安を煽りすぎです。
私自身、花粉症の酷い時期はフェキソナジン(別名:フェキソフェナジン、アレグラ)を飲んでいますが、それによる脱毛は起こしていません。
以下、後述しますが、むしろ花粉症のアレルギー反応は円形脱毛症の再発のきっかけになってしまいます。円形脱毛症の診察で皮膚科でも普通に処方されますし、酷い方は花粉症の薬で押さえた方が良いです。
補足①:一つの意見として捉える
参考になる所もあるから、気になる人は一つの意見として読んでみると面白いかも?
— まごた🧩脱毛症×気胸ブロガー (@magota_01) 2020年3月20日
勿論クリニックを否定する訳でも全くないし、治療実績があるのも事実。ただこの本の言っていることは信憑性に欠ける部分が多い。
因果関係と相関関係をごっちゃにしないように注意です☺︎https://t.co/DV5FilU3Y4 pic.twitter.com/WioLR39jzm
補足②:著者の岡嶋研二さんについて
こんな個人的意見をツイートすると反感受けそうと思いながらも率直な感想を呟いてみる。
— まごた🧩脱毛症×気胸ブロガー (@magota_01) 2020年3月20日
というかここのクリニックの院長、過去に論文捏造疑惑で停職6ヶ月の処分受けてるからね。とだけ言っておく。
結論、私の言ってることも鵜呑みせず自分で調べて自分の頭で考えよう。
2012年の頃に起きた事件ですが、過去のことだからと割り切って良いことではありません。当時のことについて分かりやすく説明している記事を参考までに覗いてみてください。(ソースはこちら)
補足③:抗アレルギー薬が処方される理由
花粉症の薬といった抗アレルギー薬や炎症を抑える薬が、円形脱毛症の時に処方されるのはちゃんとした理由があります。
詳しくは別の記事で紹介していますが、一つの情報だけ鵜呑みせず、しっかり両者の情報を集めて自分の頭で考えていきましょう。
円形脱毛症は花粉症の時期に再発しやすい|今直ぐできる4つのアレルギー対策まとめ
以上、実際に読んでみた書評を簡単にまとめました!
この本は参考になる部分もあるので一度読んでみるのも面白いですが、あくまでも一つの意見として捉えて読まれると良いと思います。
現在、Kクリニックについて気になっている、治療を受けようか迷っているという方は判断材料として一度読んでみてください!
ここまで読んで読んでいただきありがとうございました!
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