本日3/6の日経新聞社より、こんな記事が掲載されました。
毛髪再生医療による男女の壮年性脱毛症の新たな治療法の開発 ~自家毛髪細胞を用いた臨床研究により安全性と改善効果を確認~ 【概要】 東京医科大学皮膚科学分野の坪井良治主任教授を中心とする研究チームは、東邦大学医療センター大橋病院 皮膚科 新山史朗准教授および株式会社資生堂(以下、資生堂)再生医療開発室(細胞培養加工等担当)と共同で、脱毛症や薄毛に悩む方々を対象に、医師主導の臨床研究を行いました。その結果、自家毛髪培養細胞を用いた細胞治療法に安全性と改善効果を認め、男女の壮年性脱毛症の新しい治療法になりうることを示しました。(引用:日本経済新聞)
【#脱毛症 #薄毛 の方への最新情報】
— まごた🧩脱毛症×気胸ブロガー (@magota_01) 2020年3月6日
今日3/6に新たな治療法が発表されたようです。
正直、毛髪再生医療というのは未だ確固たるものはありませんが、新たな治療の選択肢が増えるのはとても素晴らしいです。選択肢が多ければ治療の個人差もカバーできますからね☺︎https://t.co/mDQDUxBCdl
以前から研究が進められていた毛髪再生医療の分野ですが、ついに治療方法の開発が発表されました!
今回は、そんな最新情報の毛髪再生医療について研究成果やメリットを簡単にまとめてみました。
そもそも毛髪再生医療とは?
毛髪再生医療とは、頭皮から採取した毛髪のもとになる細胞を培養し、大量に増やした毛包(毛穴の奥にある毛根を包む、髪を作り出す器官組織)を移植する。 いわゆる育毛剤とは異なり、最先端の再生医療による新しいアプローチである。(引用:理化学研究所)
元々、毛包に含まれる細胞を移植するという研究は比較的古くから行われてきました。
そんな毛髪再生医療ですが、2013年の慶應義塾大学が発表したips細胞の毛包部分の再生成功に始まり、ここ数年で大きく発展しています。(当時の論文はこちら)
以下参照ですが、毛髪の再生医療は、健康的な部分の細胞を取り出し培養して、脱毛部分に移植するというステップを辿ります。
このような方法は今までの育毛や植毛とは異なる方法で、そもそもの髪の毛を作る細胞を自分の健康的な部分から取り出して植えてしまおうという新しいアプローチなのです。
今回発表された研究について
- 患者の有毛部から毛包を含む直径数ミリの頭皮を採取
- 特定の細胞だけ取り出してDCS細胞に加工培養する
- 患者さんの脱毛部に移植(自家細胞移植)する
今回、東京医科大・東邦大・資生堂の合同研究で発表された毛髪再生医療による治療方法の研究は2016年から始まり4年もの実験期間だったようです。(当時の論文はこちら)
具体的には、同意を得た50人の男性と15人の女性被験者から少量の皮膚細胞を採取し、加工培養してDSC細胞と呼ばれる細胞を作り、その被験者の複数箇所に異なる量のDCS細胞やDCS細胞を含まないプラセボ液を一回注射をして細胞移植の経過をみるという実験方法です。
結果として、DCS細胞を含まないプラセボ液とDCS細胞を移植した箇所と比較して、6ヶ月後、9ヶ月後と髪の毛の増加の有意性が示されました。
毛髪再生医療の5つのメリット
- 自家細胞なので移植後の拒絶反応が少なく安全性が高い
- 植毛のような広範囲の頭皮の切除が不要
- 薬剤を使えない人への新たな選択肢になる
- 継続的な治療ではなく一度で効果が期待できる
- 男女問わず応用ができる
毛髪再生医療による治療は、薬剤を継続的に使って治療する方法と違って、自分自身の細胞を移植する方法をとります。
そのため、薬剤の副作用などで選択肢が限られていた幼児や女性の方にも、身体的な負担も少なくかつ安全性が高い新たな選択肢として非常に有効です。
また、この細胞治療は、自家細胞の移植なので拒絶反応も少なく幅広い方に使用することができます。植毛のように広範囲切除も必要ないので外科手術の負担も大幅に減っていきます。
そして中でも大きなメリットは、従来のような継続的な治療をする必要がなく、安全かつ一度で効果が期待できるという点です。
身体的な負担も少なく、一度の治療で済むので長年悩み続けるという精神的負担もなくなっていく画期的な治療方法なのです。
今後も要チェック!
毛髪再生医療の分野は今後も間違いなく大きく発展していきます。
私自身も2012年から重度の円形脱毛症には7年間悩まされてきましたが、そこから比べるとかなり大きく発展しました。今後、本格的に確立し実用に移れば、薄毛や脱毛症に悩む人も大きく減るかもしれません。
特に、薄毛や円形脱毛症といった多くの脱毛症は、治療効果に個人差が大きかったり、人によってはステロイドなど副作用で治療ができないということもあります。
そんな方にとってもこの再生医療による治療方法の実用化は新たな希望になっていきます。
今後は、さらなる臨床実験を重ねて、本格的に見た目でわかる治療効果と安全性を示しいくようです。
今後の本格的な実用化まで要チェックです!
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